『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』について考える~その①

「明けましておめでとうございます」

「おめでとうございます」

「今年の抱負をどうぞ」

「ロケットにのりたい」

「確かに、SFアニメ見たいですねー」

「なあ、ヴンダーって絶対墜落するよね」

 

ヴンダーを撃墜せよ

 

「どうやって墜落しますかね?」

「そりゃやっぱ、巨大な白い綾波レイに叩かれてだろう」

「それはもうやりました」

「じゃあ、ホワイトベースかヤマトに撃墜されるんじゃない?」

「そういうのは無しです」

「じゃあ、巨大な白いシンジくんに、僕はここにいてもいいんだー!っつって」

「悪くねーな」

「それを、アスカが倒して終わり」

「それはお前の願望だろ?」

「じゃあ、どうやって撃墜されるんだよヴンダー」

「よく考えてください。前作で、あんな戦艦だしたら、気分はもう戦争ですよ」

「というと?」

ガンダムとかキティーちゃんとかドンキーコングとかと血まみれになるまで撃ち合って終わりですよ」

「それはもうやった」

「じゃあ、宇宙にいるレッドノアに突っ込んで自爆ですよ」

「それは本当にもうやった」

「じゃあ、一体何と戦争すればいいんです?」

「敵だよ」

「誰です敵って?」

「しーっ。声を小さくしろ。奴らに気づかれる」

 

 

「奴らって誰です?」

「敵」

「敵って誰です?」

軍産複合体

「大丈夫ですか?チタンくんみたいになってますよ?」

「キョー!真実は一つとは限らないー!」

「じゃあ、こういうのはどうです?悪いヤツが見つからない!悪いヤツが見つからないーっつって、ずーっとヴンダーが飛んでて、終劇」

「そんな、ヒミズみたいな終わりかたイヤだ」

「じゃあ、地球を埋め尽くす量産型エヴァと、メチャクチャに戦いまくって、みんなが敬礼するなか大爆破」

「いいけど、誰がその量産型エヴァを操ってるんだ?」

「シンジ君。真っ赤なサングラス掛けてるシンジ君が敵なんですよ!彼は堕天するんです!」

「なるほど。なんで堕天するんだ?」

「ピアノにハマリすぎたって言ってました」

「もう、ネルフドロップアウトするんだな」

「そんで、アスカとか綾波とかマリとかが駆けつけて、やれやれ仕方ないわね、馬鹿シンジ!っつって、セコンドに着くんです」

「そんなアニメだったらなー」

「それか、カヲル君を復活させようとして、人類補完計画に着手するんです」

「それはゲンドウと同じ道だぞ!」

「嘘だ嘘だ嘘だーっつって」

「いかん。涙が出そう」

 

 渚にて

 

「さて、ちょっと整理しましょう。あなたの目には今、何が見えていますか?」

「戦争です!戦争が見えます!新劇場版は、戦争を描きます!」

「それで、敵はなんです?」

「過去です!ぐぬー、過去が攻めてきます!」

「うーん、概念ですか。まあSFっぽくていいっちゃいいんですけど。俺はもっと、普通に殺し合いをして欲しいんだけどな」

「そっちはもう平野耕太に全部任せてるんです!」

「なるほど。じゃあ、最後のクライマックスはどうなるんです?」

「リツコさんとシンジ君が大気圏で戦います!」

「え、リツコさんが?ゼーレとか、あっちの刺客なんですか?」

「違います。ゲンドウの子を授かったリツコさんは、あんたはもう用済みだっつって、ゲンドウを射殺します!」

「やったぜ!リツコさん!」

「そんで、ゲンドウの子供を胎内に宿すことで、シンジ経由でユイの魂にシンクロして、エヴァ初号機にエントリーします!」

「怖すぎる!リツコさん!」

「マヤ。行ってくるわね」

「いってらっしゃい、先輩!」

「なるほど、マヤがヴンダーを墜落させるんですね」

「ドカーン!彼女以外ありえません。ネルフとゼーレを月もろとも爆破します!」

「わかりました。それでファイナルインパクトを起こすため、リツコさんは地球へ降下するんですね」

「そうです。リツコさんは、自分の子供を新世代のルーシー・モノストーンにしようとするのです!」

「それで、シンジ君は?」

サザビーに乗り込んで、これを迎え撃ちます」

「待っていたわ。碇シンジ君・・・。さあ、決着をつけましょう」

「見ていてね、カヲル君。うおー!・・・ここで、ミュージックスタート!」

「ざぁーんこーくーぅなー♪」

「そのまま、歴代エヴァ名曲がメドレーで流れて、それに合わせた信じられないくらいの作画で、ファンネルが板野サーカスするんです!」

「君の演出はいささか古すぎるんだよな」

 

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム

 

「そして、二人は大気圏に消え去った。ざざーん。赤い波の音がする」

「エンドクレジット明けに、高校の廊下が映ります」

「おお!ついに中学卒業するんだ!」

「そこに、男の子が歩いています。その足だけが写ります」

「誰だろう?」

「教室のドアを開けると、そこにはマリと綾波がいます」

「アスカは?」

「前の方の席で、ソッポを向いています」

「アスカアスカ」

「そして二人が一緒に、こっちに向かってオカエリナサイって言います」

「そんで?」

「シンジ君の顔がアップで写って、彼が照れながら、ただいまって言って、THE END」

「あんた今、そうやって補完されたいんだな?」

「そうです!頼むからコレを、完膚なきまでにぶっ壊してくれ、庵野秀明!」

「さて、新劇場版は来年(?)完結!それまで、またちょくちょく劇場版について考えましょう!」

「うおー!これから二年間、遊び倒したるさかい見とけよ!」

「お楽しみはこれからです!それでは最後に、Tielle & Gemieの『gravityWall』を聞いてください」