『くノ一ツバキの胸の内』の感想

 

「こんにちは」

「こんにちは。見ました?『それでも歩は寄せてくる』」

Amazon Primeでやっとるやんけ!dアニメストアのバカ!」

「関西じゃテレビで見れませんからね」

「そんでようやく見たんだけど、このアニメはあれだね。地獄だね!」

「地獄ですね!」

「地獄だよ地獄!見た!? ラストの相合傘?」

「見ました!男の子の肩が傘から少しはみ出してて濡れてるんですよね。そんでそれに気づいた先輩が、こいつ優しいなって言うんですよ!What the fuck!?」

「伝家の宝刀をいきなり抜いてきたし!」

「宝刀も宝刀、エクスカリバーですよこれ!?」

「山本崇一郎は、そういうのをちゃんとやってくれるんだよなー!」

「いやいや、そんなんじゃ足りないですよ!彼はベタをそのまんまやってくるから怖いんですってば!」

「本当どういう神経してるんだろうな?」

「突飛な演出もほとんどしませんしね」

「ギャップとかも、あんまり使わないんだよなー」

「高木さんって、どこまで行っても高木さんですもんね」

「誤解を恐れずに言うけど、・・・このエピソードって、大して面白くないんじゃないかな?って思うことがよくあるんだけど、後になってやっぱりこれで合ってるわー!っていつも思うんだよ。それが素晴らしすぎる!」

「この人は反復を怖れないんですよ。あなたも見習ってください」

 

「それじゃあ、次は『くノ一ツバキ』の話をしてくれ」

「私ずっと悩んでるんですけど、最終的にアサガオが一番好きなんじゃないかという結論に達しそうですね」

「へー意外だなー」

「あなたは誰が好きですか?このフルコース」

「うーん、俺はベニスモモかな?」

「それはみんな好きでしょう!駄目です」

「それじゃあ丑班のアジサイで」

「・・・ロリコンですね」

「俺はロリコンじゃないぞ!」

「・・・ロリコンは否認の病ですからね」

「だから違うってば!!」

「それじゃあ主人公のツバキはどうですか?あなた、ああいう人好きでしょう?」

「好きっていうか、彼女は美しい人だよね。こう日本の美を体現してるっていうかさ。好きだね」

「どの辺が美しいんですか?」

「例えばオープニングの最後の方でだな、戌班の部屋が写るシーンがあるんだけど・・・」

「みんな寝てるのに、ツバキだけ早起きして身支度してるところですね?」

「そうそう。そんで、あの美しい緑髪を梳かしてるんだよ。うるし塗の櫛でね」

「あっこいいですよね!あの後、変身するんですよ」

「そうそう!そんで、そのときツバキが部屋に花を飾ってるんだけどさ、それが秋明菊なんだよね!」

「あれは良かったですね!」

「ツバキが菊飾ってんだぜ!?カッコ良すぎだろ!」

「あれは美学を感じました!」

「すごい生け方があったもんだよ、本当」

 

「確かにあのアニメって、日本の自然をすごく奇麗に描いてましたね」

「『のんのんびより』とか思い出したわー」

「私は『蟲師』ですね」

「最初の方に野鳥が写るけどさ、オオルリだったよね」

「スズメとかじゃないんだなーって思いました」

「いきなり青い鳥が出てくるんだよ?もう最後まで安心して見れるわ」

「象徴が象徴のまんま出てくるアニメでしたね」

「男性の象徴が、蛇だったからね」

「あれは笑いました!」

「俺はちょっと引いたわ!でもこれもある意味で、ベタをベタとしてやってる気がする」

「しかしオオルリで良かったですよ。あれがモズだったら、ラストにみんな死んでたかもしれませんよ?」

「一気に暗雲が立ち込めてただろうな!」

「里が全滅したんじゃないですか!?」

「みんな串刺しだよ!」

「うーんこの場合だと、犯人はリンドウじゃないですかね?」

「リンドウがモズだろうね!彼女は、カッコウの里からやって来たアサシンなんだよ!」

「だってあの人の絵見ました!?超真っ黒でしたよ?」

「あれはヤバかった!堀川くんを思い出したわ!」

「それにリンドウって、仮面をかぶってるじゃないですか?実はリンドウって、ふたりいるんじゃないですか!?」

「なるほど!すり替えトリックを使ってくるんだね!ってアホかー!!またこんな話になっとるし!何をそんなに嬉しそうに喋っとるんだ!」

「ほんとだー」

「こいつはすぐ殺人事件を起こそうとしやがる!」

「まあ、私は反復を怖れませんのでね」

「君はもう少し怖れようよ~」

「だってあんた、気がついたらまた夏が来てんですよ?しょうがないじゃないですか!」

「え!?いま夏なの?」

「窓の外から、ちょうど今セミの鳴き声が聞こえてるじゃないですか!」

クマゼミのね!」

「・・・どうやら正気に戻ったみたいですね。それじゃあ、最後に何か一曲掛けてください」

「影森みちるで『Ready to』」

 


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