『いんへるの』

『二次元妻帯者の夜Hz』で三平×2さんが薦めてた、カラスヤサトシ著『いんへるの』を買う。スゲー面白い!!!怖い!!!無意識にイレズミ入れてくる系の怖さである。

カラスヤサトシは、私が東京に出てきたすぐの頃、確か上野の本屋で『おのぼり物語』を見つけ、自分もおのぼりだからちょうどいいじゃないか!と思ってなんとなく買い、帰って読んで重度のホームシックに掛かり、地元に帰りたくなった思い出がある。

あと、確か夏にベランダで寝てみたら肌が乾燥してカサカサになった!という話があり、なんとなく自分もやってみようと思って、ベッドの横の窓を全開にして寝た記憶がある。自分は特にカサカサにはならなかった。・・・俺ロクなことしてないな。

そしてこのホラー漫画『いんへるの』だが、ただ脅かしたり怖がらせたり不条理だったり残酷だったり痛そうだったりするわけではなく(全部入ってるけど)、何らかの教訓らしきものや読んで得になるものもなく、登場人物たちも特に何の選択肢も希望も絶望も不安もなさそうだ。あるとしたら、カラスヤサトシ特有のあの笑顔だけである。

怖い!!!こうした最後に笑顔だけ残る系のホラーはマジで怖い!『踊る一寸法師』みたいなもんである!地獄ではみんな笑顔なのだ!

この神や仏は、実は人間なんかにはビタイチ興味がないんだよ!っていう達観した冷めきった感じには、ヒンズー教とか仏教とかの圧倒的な無常観を感じる。メガテンの天使とかの会話ができるけど話が通じない、あの感じ。

でも「そいつら」は確かにいるのである。自分ではどうしようもない地獄は人間のなかにあるのだ。それが業である!

俺の業(カルマ)がこんなに可愛いわけがない!!!