321 熱量と文字数 【19年4月のヲタ・与太・編集室(ブヒ部特集)】
Podcastラジオ『熱量と文字数』第321回 2019年4月配信・ブヒ部
アニメキャラとの妄想デートのコーナー採用
タイトル「『中二病でも恋がしたい』の丹生谷森夏さんに告白される」
今日は卒業式。
僕は教室で帰りの準備をしていた。
教科書を取ろうと思って机の中に手を入れると、そこには見知らぬ手紙が入っていた。
何だろうと思ってその手紙をあけてみると、そこには一言、
『伝説の樹の下で待っています』
とだけ書かれていた。
僕は急いで校庭の隅に生えている、大きな木まで走っていった。
そこにいたのは、丹生谷森夏さんだった。
僕が息を整えると、丹生谷さんは静かに話し始めた。
「・・・ごめんね、急に呼び出しちゃって。来てくれて、ありがとう。
・・・あのね、私、高校生活が終わることに、そんなに後悔って無いんだ。
だって中学のころに思い描いてた高校生活とは、かけ離れちゃったんだもん。
でも友達ができて、へんな部活にも入って、まいにち過ごしているうちに、結構楽しくなってきちゃって。
このまま平和に終わっていくのかな?なんて思ってたときに、あなたが部活に入って来てくれたわ。
そしたらあなたまで、みんなをまとめようとしたり、友達の恋を応援しようとしたり、私とおんなじ事しだすんだもん。それがもう本当におかしくって。
それに私と趣味まで似てるって知ったときは本当に驚いたわ。それも暗黒の中学時代のね!
その頃からこの人一体どんな人なんだろうって、だんだん気になってたのよ。
それでふと気がついたら、このアニメってあの人好きかな?とか、ひとりのとき考えるようになってたのよね。
そしたら秋になって、あなたが私と違う大学に行こうとしていることがわかったわ。
それからはもう受験勉強が手につかなくて大変だったんだから!
おかげでダイエットは、はかどったけどね。
それでいつ言おうか、いつ言おうかと思っていたら、結局今日になってしまったってわけ!
そして、あなたは今ここにいるわ。
だからもう私に本当に後悔はないの。
今から私の気持ち、聞いてくれるかな?」
僕はうなずいた。
すると丹生谷さんは、僕の目をまっすぐに見つめるとこう言った。
「好きです!私と付き合ってください!」
そう言われた瞬間、僕は光に包まれた気がした。
そして、震える口をなんとか動かすと、
「・・・僕も・・・モリサマーさんのことが」
と言った。
すると彼女は、
「もー。モリサマーって呼ばないで?」
と、いつものようにちょっぴり拗ねたように言った後、とびっきりの笑顔を見せてくれた。
完