「さて。それじゃあ今日もアニソンを聞きましょう」
「どんな曲にするよ?」
「先行き不透明な世相を反映して、暗い曲を聞きましょう」
「なんでだよ!明るいのにしてくれよ!」
「あんまり、頑張ろう!みたいな曲ばっか聞いてると気が滅入ってくるんですよ」
「でもみんな元気が出る曲とか聞きたいんじゃないの?」
「みんなのことなんか知るか!私はいま暗い曲が聞きたいんだ!」
「うーん。それじゃあ『エルフェンリート』の曲とかどうかな?クリムトみたいなオープニングの」
「いいですね。まずまず暗いし、まずまずグロイし。・・・あれアニソンかな」
「先生は何がいいですか?」
「先生?先生はそうですね。『NHKにようこそ!』のオープニングなんかいいんじゃないかな?中途半端に明るくて余計に暗く感じるっていう」
「作者の鬱屈したコンプレックスが伝わってきそうなアニメでしたね」
「アニメはまだポップだったよ。マンガが一番ひどかった」
「それじゃあ、はい先生!」
「はいどうぞ!」
「『ねこぢる草』の曲なんかどうでしょうか?」
「・・・・・・そんなアニメの話はしません」
「なんでですか!?今をときめく湯浅政明が関わってるんですよ?」
「・・・まあ、あの人の出す独特のダークなトリップ感って、ここら辺から来てると思うんだけど」
「さすが、先生よく知ってますね。昔はあんなマンガばっか読んでましたもんね!」
「・・・・・・マンガの話はもっとしません」
「それじゃあ『最終兵器彼女』の曲とかどうでしょうか?」
「うーん、あれは暗いというより、可哀そうなアニメなんだよね。今このご時世に聞いたら辛いのでまた今度にしましょう」
「だったら、最初から暗い曲聞きたいとか言わないでくださいよ!」
「違うんだよ!私が言ってるのダークな曲なんだよ!『最終兵器彼女』みたいな可哀そう系とか鬱系とかサイコ系とかじゃなくて、ダークでハードな曲が聞きたいの!」
「・・・でも、チセが最後にでかい『塩』になるのビビりませんでした?」
「・・・『岩』じゃなかったっけ?」
「まあでも、わかりました。ダークってのはつまり『魔法少女まどか☆マギカ』のエンディングとかってことですね?」
「そうそう!」
「明るすぎても暗すぎてもダメなんですね?」
「そうなんだよ!こういう、いつ終わるかわからないような長期戦には、もっと闇のパワーが必要なんだよ。毒っ気がないと守勢に回ってすぐ疲れるぞ」
「よくわかりました。それじゃあ第1ドールの彼女に闇の力を借りることにしましょう」
「いいね!最高!」
「それでは聞いてください。ALI PROJECTで『薔薇獄乙女』」