『R.O.D -THE TV-』の日記~その21

※『R.O.D -THE TV-』のネタバレあり

 

第26話(最終回)「それから」

 

この最終回、結論から申し上げると66兆2000億点であった!!!

すげーマジかよ!正直ここまでとは思ってなかった!この作品を作った人たちは天才である!

第25話の時点で、ここまでハードル上げといて大丈夫かこのアニメ?と余計な心配をしていた自分が恥ずかしい。

一般的に言って、最終回とは想像の範囲内に落ち着くもんである。なぜなら、最終回とはその作品のまとめという側面が強いからだ。そして、そのまとめすらうまくできていないと、作品は消化不良になってしまうので、まずまず無難な作りになりがちである。

しかしこの作品『R.O.D -THE TV-』は、その最終回のまとめ方が半端ではなかった!最終回でも博打を打っていて、そして勝っていた!

いっせーのーで、で勢いよくジャンプしたあと、作品のテーマに真っ向から答えて、上空を猛スピードでくるくると舞い、そのままストンと円の中心にキレイに着地したのである!スリリングでありながらも完璧という奇跡的な最終回であった!

ここまで、すごい終わり方をする作品は個人的に前代未聞である。それでは、どこがすごかったのか!?

 

話は前回の続きである。

「別にたいした問題じゃない!」

喉元に紙を突き付けても、平然としている捨て身のジョーカーの前に読子は屈してしまう。「死」んでもいいと思ってる人に話は通じない。それに、もともと彼女は人を殺せないのだ。読子大英図書館の人質となってしまう。

そして、菫川ねねねを救出し、出方を伺っていた三姉妹とねねねは、ジョーカーから投降を呼びかけられる。一人出ていこうとする菫川ねねねを三人は止める。

「みんな一緒に行くよ。それが私たちの役目だもん」

このときのアニタがまたいい顔をするんだよなー!

 そして、ついにジェントルメン復活のときが来た!

場所は大英図書館の最深部、ジェントルメン降臨の間。そこには、ジョーカーとウェンディ、そして連れてこられた読子がいた。

ジェントルメンの器となるジュニアは、怪しげな祭壇の上にある椅子に座らされている。

ウェンディが、まだ敵だったころのドレイクとアリスが遺跡で発掘していた、ジェントルメンの英知を受信する丸い装置をジュニアに取り付けていると、その部屋へねねね先生と三姉妹が連れてこられた。

さあ、いよいよファイナルバトルである!どうやってこいつらを倒す?

ここへ来る前、読子リードマンも言っていたように、こいつらは設備や機械を壊してもダメなのだ。計画自体を諦めさせなければならない。意志をくじかなければならない。

だから、そのラストバトルは会話で行われるのだ!!!

ジョーカーは言った。

「つらい思い出を消して、それをより素晴らしい夢へとジェントルメンは変えてくれるのだ!」

それに対して先程と同様、読子リードマンは説得する。

「やめてくださいジョーカーさん!今ならまだ間に合います!」

しかし、ジョーカーには効かない。

「あなたはいつもお願いするばかり。それは自分が正しいと思っているからであり傲慢だ。あなたに私たちの目的は決して壊せない。これが意志の力である!これこそがどんな能力よりも上回るのだ。紙一枚分の意志しかないなら引っ込んでいなさい!」

ジョーカーがそう反論して、読子は負けてしまう。

・・・強い!そのとおりである。ペンは剣よりも強し理論である!

ジョーカーに力で攻めても勝てないのだ!

そこで、読子リードマンの弟子、菫川ねねねの登場である。

「傲慢なのはそっちよ!平和の実現とかいうけど、そんなもんただの管理社会じゃないの!」

と、菫川ねねねが反撃する!まったくもってその通りである!やっちまえ!!!

しかし、ジョーカーの側近であるウェンディがこう反撃する。

「私たち大英図書館は私利私欲で動いている人など一人もいないわ!ジェントルメンが蘇ったら、私たちの脳もフォーマットされるのよ。私たちは自分たちの過去も全部捧げているの!」

と、こう返すのである。・・・これである。

これがつまり、自分たちの「死」を理由に、何かしてやろう理論である!この作品の一番の「敵」だ!!!

こいつをどうする!?これを倒さなければこいつらには勝てない。

そして、ここで言う菫川ねねねの言葉が最高だった・・・。

「甘ったれんな!!!」

菫川ねねねのこの一言がすべての野望を打ち砕いた!!最高、最高である!!!号泣である。

「それだけ意志が強いんなら、なんで自分たちで立とうとしないの!?あんたらは世界に向き合うのが怖いから殻を作ろうとしてるのよ!言葉をごまかしても、あんたらのやってることは逃げだわ!自分の過去まで他人におまかせする気なの?甘ったれんな!!!」

これが66兆2000億点である!!!こういう瞬間があるからアニメは辞められない!

心を動かされ、思わずジェントルメン復活作業の手を止めてしまう大英図書館のスタッフたち。

マギーの頬に涙が伝う。

「もう、私は過去や思い出を失いたくない」

アニタミシェールの言葉がそれに続く。

そして、読子リードマンが最後に言った。

「過去や思い出がないと、未来なんてただ流れていくだけです。どれだけ辛い過去でも自分たちで運ばないとダメなんです」

これがトドメであった。

いやー、良いもん見たわー・・・。

「死」を言い訳にすんな!甘ったれたこと言ってねーで、ただ生きろ!!!と、こういうことであった。

今、自分が世の中に対して言いたいことを全部言ってくれた気がする。

  

それから、鬼のような作画でアクションを繰り広げ、菫川ねねねの隠し持っていた小説の原稿(!)の紙で戦い、三姉妹で力を合わせてジュニアを救った。

アニタは、最後死んだかと思ったが・・・生きていた。スパイクは生きていたのである!作品のテイストからして、死んでもおかしくないので非常に怖かったわ!

「ごめんなさい、小説の原稿を使ってしまって・・・」

読子リードマン。

「いいのよ。結末で悩んだけどちゃんとハッピーエンドになったし」

菫川ねねねは、三姉妹を見つめていた。

 

そしてエピローグ。

戦いで廃人のようになってしまったジョーカーの世話をするウェンディ。彼女には使命や崇拝だけではなく、愛があった。

ドレイクは自分の家に帰る。出迎えてくれた彼の娘の名前がマギーなのかもしれない。

ナンシーは自分の失った過去と記憶を見つける旅に出ていた。

ミシェール読子先生の実家でジュニアのグリフィス髪を切っていた。

読子さんとねねね先生は本を買うためにまだ海外に居て、神保町に戻っていなかった。

そして、アニタは中学校に戻っていた。

久美ちゃんは、ねねね先生と同じ年で小説家としてデビューしていた。

「私をファンの第一号にしてよ」

あれだけ本を読むのがキライだったアニタは、いまでは本を読むのが大好きになっていた。

マギーは本を読みながらねねね先生の家でみんなの帰りを待っている。

最後に読子リードマンが言う。

「カミは天にいまし。すべて世はこともなし」

確か『赤毛のアン』の最終話のサブタイトルがこれであった。

空に紙飛行機が飛んでいる。

 

エンディング。

エンディングの二人の少女は、読書をするアニタと久美ちゃんだった!!!

読んでいる本は菫川ねねねの新作らしい、「天使たちの階段」である。

 

そしてラスト5秒!!!

海のなかに沈んでいるマリア像が写った。それは香港の教会にあった三姉妹の誕生を誓った、偽の記憶のなかにあるマリア像であった。

まさか!!!

カメラが下に降りていくと、そのマリア像の台座には「M.A.M」という文字が刻まれているではないか!ええええええええええええええ!!!!!!!あの三姉妹の思い出偽物じゃなかったんじゃん!!!!ジョーカーの大ウソつきー!!!!

 

HAPPY END

 

いやー。しかし、このアニメ本当に面白かったわ!!!こんな面白いアニメ見たことなかった!!!

このアニメを作った人たちに尊敬と感謝を。

そして、この作品を教えてくれた『二次元妻帯者の夜のアニメ実況』にはあらためて感謝を。

ありがとう!!!死ぬほど面白いアニメでした!!!

これから、あなたの好きなアニメは何ですか?と聞かれたら、私は『R.O.D -THE TV-』が好きですと答えることにします。

思い出を、経験をありがとう!素晴らしい<本>でした!!!

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