※『R.O.D -THE TV-』のネタバレあり
第24話「君が僕を知ってる」
GET UP LUCY
追撃を振り切って、読子リードマンたちは、下水道にある古書店に戻ってきた。
飛行機は貨物便しか用意できなかったと、古書店のMr.ブラウン氏は言った。
菫川ねねね救出の決意を固めた読子、ナンシー、ドレイクの三人は準備を進める。
読子は、本棚にあった菫川ねねねの「君が僕を知ってる」というタイトルの本をカバンに詰め込んでいた。
アニタは、一人膝を抱えてうずくまったままだ。
もうすぐフライトの時間だ。
「アニタさん。その、ジョーカーさんて嘘つきなんです。だから私、ジョーカーさんのことあまり信じてないんです。悪い人じゃないんですけど・・・あ、悪い人なんですけど」
「・・・なんでそんなことがわかるの?」
「私、アニタさんたちのこと羨ましかったんです。私にも妹がいたらいいなーって。今まで何万冊も本を読んできたんですけど、あんなお芝居が書ける人はいないです。すみません、あまりうまく言えないんですけど。私たち、ロンドンに行ってきます。帰ったら一緒にお姉さんを探しましょう」
私は、このシーンを見ているとき涙が溢れて止まらなかった。
赤毛のケリー
読子たちは旅立った。
しばらくして、アニタはふらつきながら、どこかへ立ち去ろうとした。
そこへ、古書店の亭主が声を掛けた。
「どこへ行くんだ?」
「・・・どこへ行けば本当のことが見つかるのかな?」
「俺はこれまで何十年も本を売ってきたが、不思議なもので、本は心底それを欲しがってるやつのところへ必ず届く。お前が本当のことを知りたいのなら、どこへ行こうと見つかるよ」
それから、アニタは行く当てもなく町を徘徊した。
そこかしこに友達や姉の面影を見つけては、それは霞んで消えていった。
知らず知らずのうちに、香港で過ごした姉たちとの日々を思い出しては、それが偽りの記憶だったことを思い知り、その度にアニタはうな垂れてしまう。
最後にたどり着いたのは、菫川ねねねの家だった。
一人誰もいない部屋に立ちすくんでいると、洗面所から誰かが現れた。
ミシェールだった。
ミシェールは、ジュニアが彼女をかばって捕まったあと、ひとり東京へと戻ってきていたのだ。
しかし、アニタは彼女を拒絶する。
「私たちはしょせん他人同士だったんだ!近寄るな!」
「なんでそんな酷いこと言うのよ!」
ここの言い争いは見ちゃいられなかった。やはり目から涙が溢れてとまらない。
アニタが、ミシェールを振り切って出ていこうとすると、玄関で誰かにぶつかった。
それは、マギーだった。
マギーはアニタを抱きしめたが、それすらアニタは拒絶して叫ぶ。
「嘘のやさしさや、嘘の思い出がどれだけ人を傷つけるかわかってるの!?」
「わかってるわよ!!!」
「それなのにミー姉は涙一つ流さない!」
「もう、いい。もうやめてくれアニタ!!!」
アニタを抱きしめるマギー。
そのとき、ミシェールの目からぽろぽろと涙がこぼれた。
「卑怯よ・・・。私が悲しくないわけないじゃない!香港での思い出は嘘だったのかもしれない!でも、ここに来てからのあなたたちとの生活は嘘なんかじゃなかった!あなたたちは本当の私を知っている。わかってくれている!だから私も自分を信じていられるのよ!」
その言葉に、はっとするアニタとマギー。
そのとき、さっき本棚から落ちた本の表紙が見えた。
そこには、菫川ねねね著「君が僕を知っている」と書いてあった。
THE BIRDMEN
絆を取り戻した三人。
それから、少し落ち着いてミシェールはこう言った。
「・・・もう許せない。馬鹿にするのも程がある!もう怒ったんだから―!」
それを見て、読子の実家でシャボン玉を吹いていたとき以来、笑顔を見せていなかったアニタがニヤリと笑った。
やっぱりアニタがこのアニメの主人公だわ!!!!!!アニタ―!!!
「三姉妹、会議ー!大英図書館に仕返しするのに、賛成の人ー!」
三人とも手を挙げた。
この辺りはもう本当にすげかった!ずーっと確変である。何やってもこっちが伏線回収できた!
そして、三人がロンドンに旅立つ前。
部屋に置いてあった、写真立ての前に三人は集まっていた。
写真には、菫川ねねね、マギー、アニタ、ミシェールの四人が写っていた。
その写真にマジックで何か文字を書き込む三人。
それは、三人共通の思い出であり、偽りの記憶。
香港の教会のマリア像の下で、三姉妹の結成を誓って台座に刻んだ「M.A.M」という文字だった。
三姉妹は本当の意味で、ここに初めて誕生した。
その様子を、窓の外から見つめる一羽の鳥がいた。
ジョン・ウーだった。
彼も私と同じく、ずっとこの物語を見守っている存在だった。
風が吹くと、ジョン・ウーは空へと舞い上がった。
そして、それに続いて三枚の紙が空へと吹き飛ばされていった。
・・・と、こんな風で今回も凄すぎる回であった!
読子先生、古書店の店主、そしてミシェールさんのセリフがあまりに良くて、ニュアンスだけメモってしまった。完璧じゃないけどここに書いておく。
もはやこれに何かコメントを言う事すら無粋だと思うが、ただひとつ言わせてもらうと、ミシェールさんのいう「ここに来てからの本当の私たち」を知っているのは、彼女たちだけじゃなく、視聴者である自分も同じである事に気づいたときは、シビれた!ひょう!俺も君たちを知ってるわー!!!
そして、ねねね先生に誓う三姉妹の復活のサイン。
その写真のステッカー持ってるし!!!買ってよかったサウンドトラック!!!
残り2話。
いざ、決戦の地ロンドンへ!