『R.O.D -THE TV-』の日記~その19

※『R.O.D -THE TV-』のネタバレあり

 

 第24話「君が僕を知ってる

 

GET UP LUCY

 

追撃を振り切って、読子リードマンたちは、下水道にある古書店に戻ってきた。

飛行機は貨物便しか用意できなかったと、古書店のMr.ブラウン氏は言った。

 菫川ねねね救出の決意を固めた読子、ナンシー、ドレイクの三人は準備を進める。

読子は、本棚にあった菫川ねねねの「君が僕を知ってる」というタイトルの本をカバンに詰め込んでいた。

アニタは、一人膝を抱えてうずくまったままだ。

もうすぐフライトの時間だ。

読子はうな垂れたままのアニタに声を掛けた。

アニタさん。その、ジョーカーさんて嘘つきなんです。だから私、ジョーカーさんのことあまり信じてないんです。悪い人じゃないんですけど・・・あ、悪い人なんですけど」

「・・・なんでそんなことがわかるの?」

「私、アニタさんたちのこと羨ましかったんです。私にも妹がいたらいいなーって。今まで何万冊も本を読んできたんですけど、あんなお芝居が書ける人はいないです。すみません、あまりうまく言えないんですけど。私たち、ロンドンに行ってきます。帰ったら一緒にお姉さんを探しましょう」

私は、このシーンを見ているとき涙が溢れて止まらなかった。

 

赤毛のケリー

 

読子たちは旅立った。

しばらくして、アニタはふらつきながら、どこかへ立ち去ろうとした。

そこへ、古書店の亭主が声を掛けた。

「どこへ行くんだ?」

「・・・どこへ行けば本当のことが見つかるのかな?」

「俺はこれまで何十年も本を売ってきたが、不思議なもので、本は心底それを欲しがってるやつのところへ必ず届く。お前が本当のことを知りたいのなら、どこへ行こうと見つかるよ」

それから、アニタは行く当てもなく町を徘徊した。

そこかしこに友達や姉の面影を見つけては、それは霞んで消えていった。

知らず知らずのうちに、香港で過ごした姉たちとの日々を思い出しては、それが偽りの記憶だったことを思い知り、その度にアニタはうな垂れてしまう。

うう、アニタアニタ。 

 

The Birthday

 

最後にたどり着いたのは、菫川ねねねの家だった。

一人誰もいない部屋に立ちすくんでいると、洗面所から誰かが現れた。

ミシェールだった。

ミシェールは、ジュニアが彼女をかばって捕まったあと、ひとり東京へと戻ってきていたのだ。

しかし、アニタは彼女を拒絶する。

「私たちはしょせん他人同士だったんだ!近寄るな!」

「なんでそんな酷いこと言うのよ!」

ここの言い争いは見ちゃいられなかった。やはり目から涙が溢れてとまらない。

アニタが、ミシェールを振り切って出ていこうとすると、玄関で誰かにぶつかった。

それは、マギーだった。

マギーはアニタを抱きしめたが、それすらアニタは拒絶して叫ぶ。

「嘘のやさしさや、嘘の思い出がどれだけ人を傷つけるかわかってるの!?」

「わかってるわよ!!!」

「それなのにミー姉は涙一つ流さない!」

「もう、いい。もうやめてくれアニタ!!!」

アニタを抱きしめるマギー。

そのとき、ミシェールの目からぽろぽろと涙がこぼれた。

「卑怯よ・・・。私が悲しくないわけないじゃない!香港での思い出は嘘だったのかもしれない!でも、ここに来てからのあなたたちとの生活は嘘なんかじゃなかった!あなたたちは本当の私を知っている。わかってくれている!だから私も自分を信じていられるのよ!」

その言葉に、はっとするアニタとマギー。

そのとき、さっき本棚から落ちた本の表紙が見えた。

そこには、菫川ねねね著「君が僕を知っている」と書いてあった。

 

THE BIRDMEN

 

絆を取り戻した三人。

それから、少し落ち着いてミシェールはこう言った。

「・・・もう許せない。馬鹿にするのも程がある!もう怒ったんだから―!」

それを見て、読子の実家でシャボン玉を吹いていたとき以来、笑顔を見せていなかったアニタがニヤリと笑った。

やっぱりアニタがこのアニメの主人公だわ!!!!!!アニタ―!!!

「三姉妹、会議ー!大英図書館に仕返しするのに、賛成の人ー!」

三人とも手を挙げた。

この辺りはもう本当にすげかった!ずーっと確変である。何やってもこっちが伏線回収できた!

 

そして、三人がロンドンに旅立つ前。

部屋に置いてあった、写真立ての前に三人は集まっていた。

写真には、菫川ねねね、マギー、アニタミシェールの四人が写っていた。

その写真にマジックで何か文字を書き込む三人。

それは、三人共通の思い出であり、偽りの記憶。

香港の教会のマリア像の下で、三姉妹の結成を誓って台座に刻んだ「M.A.M」という文字だった。

三姉妹は本当の意味で、ここに初めて誕生した。

 その様子を、窓の外から見つめる一羽の鳥がいた。

ジョン・ウーだった。

彼も私と同じく、ずっとこの物語を見守っている存在だった。

風が吹くと、ジョン・ウーは空へと舞い上がった。

そして、それに続いて三枚の紙が空へと吹き飛ばされていった。

 

 ・・・と、こんな風で今回も凄すぎる回であった!

読子先生、古書店の店主、そしてミシェールさんのセリフがあまりに良くて、ニュアンスだけメモってしまった。完璧じゃないけどここに書いておく。

もはやこれに何かコメントを言う事すら無粋だと思うが、ただひとつ言わせてもらうと、ミシェールさんのいう「ここに来てからの本当の私たち」を知っているのは、彼女たちだけじゃなく、視聴者である自分も同じである事に気づいたときは、シビれた!ひょう!俺も君たちを知ってるわー!!!

そして、ねねね先生に誓う三姉妹の復活のサイン。

その写真のステッカー持ってるし!!!買ってよかったサウンドトラック!!!

残り2話。

いざ、決戦の地ロンドンへ!

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