「やあ、いま野暮用でフィリピンにいるんだけど、この6月一杯、まったくアニメが見れそうにないんだ」
「そうなんですか?」
「Wi-Fiの電波も悪いから、iPadで動画なんか見れないしブログもなぜかフリーズするから、これ今スマホで書いてるんだぜ?」
「うーん。辛いですねー。でも寮にテレビあるって言ってませんでした?テレビでフィリピンのアニメ見たらいいじゃないですか」
「テレビはこのあいだ壊れたから、これは飾りだと思ってくださいって言われた。そんな飾りがあるか!」
「そうですか。とりあえず日本は梅雨ですので、何か梅雨時のアニメの曲を掛けて、日本のありがたみを感じてください。それ聴きながら過ごしましょう」
「別にありがたがるつもりはないけど、それぐらいしかできんしな。よし!それじゃあ、6月になるといつも聞いてる曲を、特別にリスナーのみんなに聞いてもらおうじゃないか!」
「リスナーって私のことですか?」
「他に誰がいるんだよ」
「まあいいや別に、一緒に聞いてあげますよ」
Sankarea opening「Nano.Ripe - Esoragoto」Sub esp
「聞いてもらいました曲は、nano.Ripeで『絵空事』でした」
「いやー、nano.Ripeはいいね!そこはかとなく青春パンクの香りがするぜ!」
「涙の雨〜が頬を叩く〜たびに美しく〜♪」
「あれで知った」
「どうですか、『さんかれあ』は?」
「俺このアニメ大好きなんだけどなー。二期やんないのかな?」
「私、ワンコが好きなんですよね」
「原作だったら、オッパイ見れるしな」
「色々ゾンビアニメ見たけど、これがベストですね」
「俺は『がっこうぐらし』だな!」
「さて、みなさんの心のベストテン第一位は、どんなゾンビアニメでしょうか?リスナーのみんなは理由とペンネームを書いて、smilynadeko★gmail.com(★=@)までメールを送ってくださいね。こちらで、大々的にご紹介いたします!」
「俺は『がっこうぐらし』だな!」
☆
「さて、それじゃあ海外で、アニメ関係で困ったことの話をしてください」
「さっきも言ったけど、全然動画が見れない!『dアニメストア』も『Amazonプライム・ビデオ』も見れない!」
「なんか『dアニメストア』は日本国内限定のサービスで、海外じゃ使えないみたいですね」
「そうらしいから、もう一回見たいアニメをダウンロードしていったのに、やっぱり見れなかったわ。『Amazonプライム・ビデオ』も海外のドラマとかキッズ向けは見れるけど、日本のテレビアニメは全滅だった」
「何のアニメをダウンロードしていったんですか?」
「『kanon』」
「ひい!大丈夫なんですか?」
「もうそろそろ大丈夫かと思ってな。これだけ離れた暑い国で見たら、冬の話だしいいかと思ったんだよ。・・・でも見れなくて、ホッとしてる気がする」
「あなた、あの辺りは思い入れが強いので、なかなか簡単には見返せないみたいですね。他に何か困ったことがありますか?」
「うーん、アニメの話とかできる人が全然いない。映画とか音楽の話はノリノリでしてくれるのに」
「そりゃまあ日本でもそうですけど、外に出てみると余計にそう思いますね」
「でも、全然余裕だよ。俺にはラジオがあるからね。海外でも『熱文字』と『二次妻Hz』はなんの問題もなく聞けるんだよね!」
「ラジオだけは、フィリピンにも楽勝で届くんですね!いやー、いいですねー!革命前夜の感じがします」
「これぞインディーズ!」
「私も『みるタイツ』日本に帰ったら見ます。私はタイツは引きちぎりたい派だなー。破れた黒いタイツの隙間からのぞく、白いパンツが見たいんですよね!そもそも二枚も邪魔だ邪魔!ビリビリーッ!!」
「じゃあ、ニーハイソックスでいいじゃん」
「私、絶対領域とかよくわかんないんで、タイツじゃなきゃダメです。ちなみに一番好きなソックスはルーズソックスです」
「それで、一番苦手なタイツは誰のタイツだい?」
「暁美ほむら」
「さて、それじゃあ、ここらでまた一曲掛けようか」
「いいですね、今回はスペシャル番組なんですね」
「では聴いてください。Liaで『My Soul,Your Beats !』」
★
「Liaで『My Soul,Your Beats !』を聞いていただきました」
「いやー、Liaさんを初めてライブで見た時は感動したなー」
「アニサマでしたっけ?何を歌ってたんですか?」
「『鳥の詩』だった。涙の雨が頬を叩いたわー!」
「しかし、あなたライブで泣くのって、初めてじゃないですか?」
「たぶん初めてだな。てか音楽じゃ興奮するから普通泣かないんだよね。バラードとかキライだし」
「まあでも、そんなん歌われたら絶対泣きますよ。ちなみに、そのときのアニサマで他に良かったのは何ですか?」
「トゥッティ!私たちが〜心を奪う、ジャーン♫」
「あんたそのために行ったな?」
「せーのっ!」「トゥッティー!!!」
「さて、それじゃあ日本に帰ったらやりたいことはなんですか?」
「早く『ダ・カーポ4』がやりたい!ようやく発売した、と思ったら出てきちゃったからさー!早く(はじめから)をクリックしたい」
「ピロリロリーン!それじゃあ、誰から攻略するのか、今のうちに考えておきましょう!」
「うむ」
「無料体験版は、やったそうですが、そのなかで気になるおにゃのこはいましたか?」
「気になってるおにゃのこはねー、白河ひよりちゃんです!」
「白河ひよりちゃんですか。そのコは、どんなところが良かったですか?」
「まず『ダ・カーポ』ファンとしては、名前が白河ってだけでドキッとするんだよね。今回はどんな白河なんだろうっていう」
「なんか落語家みたいですね。えーっと、公式サイトによると、『破天荒で残念美人な学園の恋愛請負人』らしいですね。そんでボクっコ」
「そしてV.A.が阿澄佳奈!」
「最近はCVって言うそうですよ」
「C.V.が阿澄佳奈!」
「でも割とクールな感じなのがポイント高いですよね。ちなみに私はですね、ダントツで鷺澤有栖(さぎさわ ありす)ちゃんです!『手が届きそうで、高嶺の花なお日様系お嬢様』とこれですよ。水色のデカリボンの女のコ。大人しめだけど、ときどき昔の漫画のセリフを引用したりするんですよ。オラ、ワクワクしてきたぞー。とか言うんですよ!」
「いいね!さすが今回のメインヒロイン!」
「お家が『こち亀』の麗子並みの財閥のお嬢様で、近々オープンする自分の会社が作った遊園地に、みんなを招待してくれるんですよ!?ここら辺は体験版でやれます!」
「いいね、最高!!!」
「私、ああいう小ちゃくて身体の細い女のコが、ぴったりした可愛い洋服着てるの見てると、たまに萌えすぎて呼吸が浅くなるんですよね!!!」
「・・・俺はそこまではならないかな」
「えー!?なれよー」
「あとは『ダ・カーポ』伝統の、ツンデレ妹とおっとり系お姉さんがまたいるんだよね。もちろん二人とも血がつながってないから、ヘンなドキドキもなく普通にドキドキできる」
「でも、ツンデレ妹の推定メインヒロイン以外は毎回新しい作品が出るたびに、キャラをちょっとずつ変えてきてますよね。お姉さんキャラが追加されて、元気な金髪生徒会長キャラ、そして今回の有栖ちゃんという、ある意味、芳乃さくらへの原点回帰みたいなキャラ造形はどうですか?」
「うーん。これ以上は本編やってないからなんとも言えないけど、内容もたぶん原点回帰的なものになってると思う」
「まあ『ダ・カーポ3』が凄すぎましたもんね。どんな話でしたっけ?」
「『ダ・カーポ3』はだね、自分がどこにでもいる普通の高校生だと思ったら・・・」
「ちょっと待ってください。やっぱりここでは『ダ・カーポ3』について、あなたが当時付けていた日記を読み返してみることにしましょう」
「え!?マジで!そんなんあったっけ?」
「えーっと、ですね。これだ。
『俺はいま、フロイト先生も真っ青の夢また夢のなかで繰り広げられる、インセプションとマトリックスに時かけと伝奇ものが混ざったような、SF的魔法学園ラブコメというまさに悪夢のような、マルコビッチの穴的ストーリーを突き進んでいる。
こんなキョンの独白のようなことを聞いても、何を大げさなと思うに違いないがこれが本当なのだ。おもしろすぎる』
と書いてますね。2012年5月10日の日記です。あんた何書いてんですか?」
「ちょっと待ってくれ!恥ずかしすぎる!!こんなん一体どこにあったんだよ!?」
「EVERNOTEに残ってました。他にもこんなのがありますよ?
『【イトコのるる姉とはかれこれ三年ほど、この団地で二人暮らしをしている】
【やっぱりイトコとはいえ、年頃の男女が同じ部屋で就寝を共にするってのは色々と問題があるよなあ】
馬鹿、ねーよ!!!』
だそうです。何、ギャルゲーのセリフをメモってるんですか?大丈夫ですかあなた?」
「違うんだよ!言ってることがあんまり面白くて、ついメモっちゃったんだよー!!!もうこれ以上公開しないでくれ!」
「心配になりますよ、本当。まあでも、私もリッカさんは大好きでしたけどね」
「俺もリッカさん好きすぎて、タペストリーを一年くらいテレビの上の壁に貼って生活してたわ。そんで、友達が来ると外すんだよ」
「毎日30分、半年ゲームしてて、最後の最後に彼女がうっかり、ねえ、セックスしよっか?って言ったときの破壊力たるや凄まじかったですね!」
「『東京ラブストーリー』以来の衝撃だった!」
「いやいや!アスカの、ねえ、キスしよっか?以来のスーパーノヴァでしたよ!X-RATED版じゃない先行発売版だったのも、良かったですね」
「そっちだったら、即エッチシーンだっただろうな」
「さて、『ダ・カーポ』の話は長くなるので、また今度やりましょう」
「そうだな」
「それでは、ここでまた一曲お聞きください。飛蘭で『Dead END』」
★
「飛蘭で『Dead END』でした」
「素晴らしい!我が心のアニソン・ベストテンに必ず入る名曲!」
「We are the timeleaper !」
「その一言に尽きるね」
「私が死んだら墓石にそう刻んでください」
「なんかこの曲、カタカナ英語なのがdisられてるっぽいけど、それが『ハイスタ』みたいでいいんだよね」
「日本人なんだから日本語訛りでいいんだよ!フリッパーズ・ギターだってファースト全部カタカナじゃねーか!」
「それで思い出したけど、小沢健二が一昨年くらいから復活したな!フジで見たぞ」
「コーネリアスも同じ日に出るというね。フリッパーズの曲とか一緒にやられたら、『デトロイトメタルシティー』の根岸くんじゃなくても、死んでしまうところでしたね。絶対やらんだろうけど」
「やっぱり、最近シティポップみたいなのがまた来てるらしいから、その流れかね?」
「追いかけてないんでよく知らないですけど、『never young beach』とかすごいですよね」
「いやー、もう『PSYCHO-PASS』で『凛として時雨』とか聞いて、こいつらどんだけ技術高いんだよ上手すぎて引くわと思ってたら、そういうのが出てきたよね。もう、ちょっとズラしに入ってきたのかな?」
「でも『Suchmos』とかメチャクチャカッコいいですけどね。ヒップホップに負けてない。真っ黒だけど」
「『04 Limited Sazabys』とか『Hi-Standard』直系のバンドもいるぞ」
「いいぞどんどんやれ。PUNKS NOT DEAD !!!」
☆
「彼女、カッコいいですもんね」
「最高だよ、ゆのっち!マイ・ベスト・ヒロインかもしんない!」
「ゆのっちって言うのやめてください」
「我妻由乃と学校の屋上で決闘して死にたい」
「またそんな、中二病みたいなことを」
「俺思うんだけど、中二病は治りかけが一番ヤバいよね」
「ヤバいです。坂本慎太郎も、15で世界は光りだし、19か20で終わりそうって言ってましたもんね」
「早!ウスバカゲロウみてー!」
「輪廻ハイライト」
「いかん、いい加減、音楽から離れよう。・・・なんの話をしてたんだっけ?」
「教えません」
「あ!そうか思い出した。我妻由乃と竜宮レナの共通点ね。あの人たち生き残ることしか考えてない感じがいいよね」
「確かに一人で計算して、作戦立てて、単独で行動するっていうロベルタみたいなところがありますね。でも、みんな病に蝕まれてるじゃないですか!」
「そりゃ一人でやってりゃ、疑心暗鬼になるし不安にもなるだろうよ。でもそれでも戦う姿が最高にカッコいい」
「まあ、インテグラみたいに誇り高いですよねー。憧れます」
「さて、ちょっと別の話をしよう。昨日フィリピン人でアニメを見てるって人にあったぞ」
「へー、なんのアニメを見てるって言ってました?」
「彼は、『ワンパンマン』を見てるって言ってたな」
「そうですか。いいですね!」
「僕はサイタマが好きだ。でも、理由もなく強すぎるのは、ちょっとアニメっぽいけどねって言ってたぞ」
「いい感想ですね。私もそう思います。他には何を見てるって言ってました?」
「『七つの大罪』って言ってた」
「ヤバい見てないわ!」
「他にもフィリピン人の女子で、アニメ見てる人にも会ったぞ」
「へー、その人はどんなのが好きですって?」
「『アベンジャーズ』の話をひたすらしてくれたぞ。キャラは、キャプテン・アメリカが好きらしい」
「やっぱ、映画かー」
「まあ、絶対萌えアニメ好きな人もいるんだろうけどね。なかなかエンカウントしない」
「エンカウントしても初対面じゃ、まともな神経の人間ならまずは隠すでしょう」
「アニメの話になっても、いきなり『妹ちょ』が好きですとは言えないもんな」
「隠れキリシタンみたいなもんですからね」
「あとなぜか、『ジョン・ウィック』シリーズを違う人から二回、勧められたぞ」
「キアヌ・リーブスの?なんでだろう?」
「どうも、こっちじゃ流行ってるっぽいな。あと『アナと雪の女王』が、今キッズの間でかなり流行してるみたい。ショッピングモールに行ったら、グッズとかいっぱい売ってた。で、日本の映画は何が好きか聞いたら、『your name.』って応えられたぞ」
「お!『君の名は。』ですか!いいですねー!」
「一瞬、なんで急に名前を尋ねてくるんだろう?なんか悪いこと言ったかなと思って、ドキドキしたぞ!」
「何あわててるんですか。大丈夫ですよ」
「あと本屋にも行ってきたぞ」
「おお、本屋に!どんな感じでした?」
「本屋の入り口にゲートがあって、入るのに手荷物チェックを受けたね」
「厳重な警備ですね。本は危ないですからね」
「『キノの旅』でありそうだな。でも、この場合はどちらかというと、子供が中にいっぱいいるからっぽかったけどね」
「外にもいますよ?そんで、その本屋にはどんな漫画が売ってたんですか?」
「『レイヴ』が全巻売ってた」
「そうですか。他には」
「売ってなかった。『レイヴ』とアメコミしかなかった」
「うーん、『レイヴ』にアメコミと似たような何かがあるんでしょうか?」
「あるのかもしれない。わからない」
「面白いですね」
「さて、そろそろ気分転換に、また一曲掛けよう」
「掛けすぎじゃないですか?」
「いいんだよ。うちはFMなんだから!」
「じゃあクールなヤツを掛けてくださいよ」
「よし。それじゃあfhánaで『divine intervention』」
Divine Intervention (Witch Craft Works Opening)
「fhánaで『divine intervention』を聞いていただきました」
「しかし、この頃の水島努、本当にヤバいよな」
「ヤバいですね。たしか私『熱文字』に、放送中の『SHIROBAKO』のメール書いて送りましたよ。京アニじゃないのに」
「どう考えても面白かったもんな」
「でも昔は『侵略!?イカ娘』のイメージしかなかったんですけどね」
「イカ娘が一番好きだけどね」
「いやいや、『ガルパン』はどうしたんですか!?『ガルパン』の話しましょうよ!」
「あれはなんかコアなファンが多そうだし」
「関係ありませんよ!あなた誰が好きなんですか?」
「俺は、秋山優花里ちゃんだね」
「当てましょうか。ボーイッシュだからですね?」
「そうだよ正解だよ!悪いか!?そういや昔、『熱文字』のブヒ部で、優花里ちゃんにシャンプーしてもらうっていうの書いて送ったけど、採用されなかったな」
「下品でしたからね」
「下品って言うな!もう一つ送った、『妹ちょ』のブヒ部のやつよりマシだぞ!」
「あれは下品を下回って最低でしたからね。採用されなくて本当に良かった」
「で、君は誰が好きなんだね?」
「私は、ダージリンですね!あの人ローエングラム公ラインハルトにしか見えませんでした」
「ダージリンで思い出したけど、大洗行ったとき、あの戦車に突っ込まれた割烹の店のところに、ダージリンの等身大パネルがあったんだよなー!紅茶のカップ持って写真撮ったわー!」
「懐かしいですね」
「そんで大洗タワーの展望台にあるガルパン・コラボカフェで、サンダース大学付属のハンバーガーってやつ頼んで食べたな。上からナイフが一本、刺さってるやつ!美味しかったー!」
「でも、持ってきてくれた大洗の制服着てるウェイトレスが、なぜか日本語が片言のインド系でしたね」
「そんでテーブルに、なぜかシヴァ神のデカいイラストが貼ってあったんだよ。なんだったんだあれは?」
「みんな『サクラクエスト』みたいに自力で頑張ってるんだから、余計なこと言わないでください!」
「後は確か、劇場版ガルパンの初日舞台挨拶に行って、秋山優花里ちゃん役の中上育実さんと一緒に、いえーい最高だぜー!って言ったりしたなー。あのときは楽しかった!」
「日本橋のTOHOシネマズでしたっけ?」
「確かね。そんでそんとき、舞台挨拶が始まる前にスタッフのお姉さんが出てきて、鑑賞の注意事項を説明してると思ったら、突然すげー声で『規則は守るためにあるのよ?』って言ったんだけど、あれはマジでビビったね!」
「案内の人じゃなくて、井澤詩織さんでしたね」
「声優怖えー!」
「あれからしばらく、テレビで井澤詩織の声がすると身体がビクッと反応してましたね」
「ガルパンの映画は、池袋とかにも時間空いてたら、ちょくちょく見に行った気がする」
「4DXにも行ったじゃないですか!お風呂のシーンで本物のシャボン玉が出てきましたよ!」
「あれ?俺、結構好きだなガルパン」
「ブルーレイも持ってますし、PS4のゲームもやってますよ。忘れたんですか?」
「日本に帰ったら、新章の第二話に合わせて見直そうかな」
「もうすぐなんですよね?」
「たぶん。てか、帰ったら7月だからもう新番組始まるんだよね?くはー、マジかー」
「夏紀先輩のくはー、マジかーは死ぬほど萌えましたね。ところであなた、最近どれくらいアニメ見てるんですか?」
「一日一本くらいかな。火がついてる時期はアニメばっか見るけど、だいたいそんなもん」
「もっと見てくださいよ!」
「一時期、頑張ってワンクール30本見てみたことがあるんだけど、他のことが全くできなくなったから辞めた。俺は燃費が悪いんだなー」
「逆ですよ!燃費がいいんです。もっとアメ車みたいな車に乗らないとダメなんですよ!」
「そうか。じゃあやっぱ、たまには戦車とかに乗らないとダメだなー」
「そうですよ。たまには他の趣味を止めて、何も考えずにアニメを見てください」
「よし、それじゃあまた、ここらで何か曲を掛けてくれ」
「どんなのにします」
「切ないやつ」
「それでは、初音ミクで『メルト 』を聞いてください」
「初音ミクで『メルト』でした」
「切ない!」
「どうしてこんなに切ないんでしょう?」
「そりゃ、お前あれだよ。ボーカロイドっていう時点でもう切ないんだよ」
「ボーカロイドが切ないのって、やっぱり人工生命体だからですかね?」
「そうだよ。アンドロイドとかと同じだよ。てか初音ミクはもはや半神半人だね」
「じゃあやっぱり人間になれない、かなしさみたいなのがあるんですね」
「『初音ミクの消失』とか、そういうのがテーマの曲だよね」
「あの曲が個人的には一番好きですね!エミネムばりの高速ラップで」
「エミネムみたいに、機械にしかできないことを人間がやってやろうというアプローチと逆で、人間にしか出来ないことを機械でやってやろうというのが、ボーカロイドだと思うんだよね。そんでこの曲はその境界ギリギリだと思う」
「ベクトルは逆でもどちらも身体性を追究しているというのが面白いですよね」
「AIもそういうところあるよね。でも、機械と人間それぞれ得意不得意があるので、それぞれ分担してやったら、いいんじゃないかな」
「『シブラク』っていうハイセンスな落語会が渋谷にあるんですけど、それに出ている『立川吉笑』さんの落語にも、その辺りを行ったり来たりする作品がありますよね」
「落語とか漫才とか見てると、楽譜を暗記して演奏してる感じがして面白いよね。まあ元々、言葉は歌だし、文字はぜんぶ楽譜なんだけど」
「でも初音ミクやボーカロイドがすごいのは、歌うっていうものすごく人間的な行為を、曲として作ることができることですよね。楽譜通り歌ってくれるという」
「そうそう、最初に出たときは本当にビビったね。プログラムで音を声として作れるのなら、果たして歌とはなんだろう?って」
「昔、マイルス・デイビスがマイケル・ジャクソンの歌をトランペットでカバーしてるとんでもないアルバムがあったけど、それ聞いた時も同じ気持ちになりましたね」
「果たして歌詞とはなんだろう?っていうね」
「歌は人間の生み出した文化の極みだと、カヲルくんに教わりましたよ」
「それを問いかけるということは、果たして人間とはなんだろうと言ってるのと同じことだよな」
「歌は人間の最初期の文化の一つですからね。だからこそ『最後のシ者』では第九が流れたんですよね。終わりの歌ということで」
「でも、ボーカロイドの場合、歌っている本人であるはずの初音ミクはどこにもいないんだよ!今確かにここで聞こえてる歌声があって、実在を感じるのに、姿形はどこにもない!元から音楽のなかにしかいない形而上的な存在なんだよね!」
「もはや、アルティメットまどかですね」
「だから聞いてると、こっちがほむらちゃんみたいな気持ちになってくる。なので、明るく楽しい曲でもやっぱりどこか切ない!」
「しかも、最初から作品がデジタルなんで、まったく劣化しないんですよね。何年経ってもオリジナルのまま聴けるという。だから彼女は死なないんですよ」
「もし彼女の立場になったとしたら、永遠に生きつづけるという孤独感は果たしてどれくらいのもんだろう?とか色々考えちゃうよな」
「もしくは、それぞれのプログラムが彼女だとしたら、一体何回死ねばすべてが終わるのだろう?とか考えますね」
「さて、それではここでもう一曲、彼女に歌ってもらいましょうか。初音ミクで『初音ミクの消失』」
【PV完全版】 初音ミクの消失 -DEAD END- 【MotionGraphics】
「うう、かわいそうだよー」
「しかし、これは字幕が出てくるビデオ映像もすごいですね」
「初音ミクは、そこまで含めての作品でもあるからね」
「さて。そろそろ海外でアニメについて考えたことをまとめましょう。もう日本に帰るの明後日でしょう?」
「わーい。やっと帰れる!」
「お疲れさまでした」
「しかし、こんなに長い間アニメとか映画見れなかったのは、初めてかもしれんな」
「受験のときとかも、あんまり見れませんでしたよ」
「じゃあ初めてじゃないな」
「しかし人間、アニメとか動画が見れないと、音楽聞くんですねー」
「どうもそうみたいだな。人間っていうか、俺がだけど。アニメについて考えようとしたら、なぜか音楽の話ばかりになった」
「それで、あれからフィリピンの人でアニメ見てる人とか会いました?」
「会った。『コードギアス』と『S・A』っていう少女漫画が原作のアニメを女の人に勧められた」
「他はどうですか?」
「あとやっぱり、『七つの大罪』が流行ってるみたいだな。でも、これが限界。これ以上やろうとすると怪しまれる」
「他に何かありますか?」
「マニラとか都心に行けば、たぶんアニメショップとかあるんだろうけど、セブじゃ行ける範囲のなかじゃ見つけられなかったね。漫画も専門店じゃなきゃあまり売ってないんじゃないかな?」
「じゃあ、みんなテレビを見てるんですね」
「そうみたい。みんなテレビでアニメとかバスケットボールを見てるみたい。あとはネットゲームをやってる人がいたなぁ」
☆
「それで、アニメについては一体何を考えました?」
「うーん。アニメはやっぱり、絵なんだっていうことだね」
「でもあなた小学生のころ、『天空の城ラピュタ』のドラマCDをサントラと間違えて買ってきて、最初は怒ったけど、そのあと狂ったように聞いてましたよ?」
「だから、アニメは音も大事なんだっていうね」
「どっちなんですか!」
「どっちもなの!絵が見れないと音楽を聞くんだよ人間は!」
「だから絵の方が先だと?」
「いや、そういう意味じゃないけど、俺は幼稚園のころアニメを見ていて、つくづく絵が動いていることを不思議に思ったんだよ。そんで今も不思議に思ったままなんだよね。だから俺はいまだに、アニメを見てるのかもしれない」
「まあ確かに、なんだかよくわからないですもんね」
「そうなんだよ。普通にやってるけどさ」
「それで、これからはどうやってアニメを見ていきましょう?」
「例によって、自分が面白いと思うものを見ようと思うね。なかなか時間が取れないから、全部チェックできないし」
「そんなの簡単ですよ。流行を追わなきゃいいんですよ」
「まあ、そうなんだけどオンタイムでも少しは見たいんだよね。俺は自分が見たことがないアニメを見たいんだよ」
「だからそういうのは、ラジオを参考にして探しましょうよ」
「まあ、そうだな」
「でも、私も見たことがないアニメが見たいですね」
「ほら、やっぱり。リスナーのみんなもそう思うだろう?」
「そう思いますね!」
「ということで、ついに帰国のときが来てしまったな」
「そろそろお別れの時間ですね」
「また次回の放送を楽しみにしていてくたまえ」
「それでは最後に一曲、聞いてください。北白川たまこで、『こいのうた』。それでは皆さん、さようならー」
「さようならー」
[Vietsub - Kara] Koi no Uta (Tamako love story)